大判例

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東京高等裁判所 昭和45年(ツ)51号 判決

案ずるに、本件調停によつて成立した賃貸借が一時使用のための賃貸借でないことは、原判決の確定した事実である。上告人は、上告人が内心において一時使用のための賃貸借、したがつて三年間で終了する賃貸借を締結する意思を有し、そういう内容の賃貸借を成立させるものと誤信したまま調停に応じたと主張するのであるが、その事実は原判決の肯定していないところであり、むしろ原判決の本件借地契約成立に至る経緯についての事実認定を見れば、原判決は、被上告人の本件土地の使用目的が一時的な用途を満たすにあつたのではなく、したがつて上告人が右の点について誤つた認識をもつ余地もなく、かつそのような誤認をしたものでないことを判断していることが、おのずから了解される。かりに上告人主張の錯誤が、上告人が右以外の点を誤認したことによる錯誤であるとすれば、それは一時使用のための賃貸借でないのに二〇年の期間の定めを有効と誤信したということに帰するが、かような錯誤にもとづく契約無効を認めるときは、短期賃貸借の弊害を防除するために制定された借地法第二条の立法趣旨に背馳する結果となるので、この場合錯誤の効果としての契約無効は生じないと解しなければならない。

(近藤 田嶋 吉江)

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